犬はとても寂しがり屋です。
「ずっとそばにいてほしい」
「いつも一緒に遊んでほしい」
と思っています。
ですが、飼い主さんも忙しいですよね。特に一人暮らしの飼い主さんや、留守がちな飼い主さんの場合は、犬は一人ぼっちで寂しくて不安になってしまうことがあります。
犬は元々は、野生では群れで行動する動物です。人間と暮らしていく中で、留守番をするのにも慣れてはきますが、本来の犬の習性とは違うので、不安が大きくなってしまい、中には問題行動を起こすようになる子もいます。
それが「分離不安症」という状態です。
犬の分離不安症の主な症状はこの通りです。
- 吠え続ける、鳴き続ける
- 体のどこか(足や尻尾など)を舐め続けたり、傷になるまで噛んだりする
- 尻尾をぐるぐると追いかける
- プルプル震える
- カーペットや玄関マット、家具をかじるなど物を壊す、部屋を荒らす
- トイレを失敗する
- 部屋やケージの中で暴れる
分離不安症になってしまうと四六時中誰かがそばにいないといけなくなってしまうことも多いですし、ひどい場合は犬の病気や怪我の原因になってしまうこともあります。
飼い主がそばにいなくても、犬が安心して過ごせるように、普段から愛犬の変化に気づいてあげて適切な対応をして、犬にとっても飼い主にとってもストレスを減らせるようにして行けたら良いですよね。
キーワードは、リラックス。
犬が一人でもリラックスして安心できるようなトレーニング、治し方をすることで、分離不安症は絶対に改善していきます。
犬の分離不安の解決方法には、こちらの10項目があります。
- 犬だけの時間を退屈させない工夫をする
- 普段から適度な距離感で接する
- 出かける時はさりげなく出かける
- 外出の雰囲気に慣れさせるトレーニングをする
- 飼い主がいない時間を少しずつ増やして慣れさせる
- 外出する30分前から犬と距離をとる
- 帰宅時に過度に接さない
- 問題行動を起こしていても叱らない
- 普段から運動させたり遊んであげたりする
- クレートトレーニングをする
それでは、主な症状のチェックポイント、初期症状と重症の場合の違いについて、犬の分離不安症の治し方について徹底的に解説していきます。
おしながき
犬の分離不安|10種類の解決方法と具体的なトレーニング内容
「愛犬が分離不安症になってしまった!」
そんな時の解決方法は、犬が飼い主がいない間でも快適に過ごせる状態にすることです。
その方法について、10項目を解説して行きます。
- 犬だけの時間を退屈させない工夫をする
- 普段から適度な距離感で接する
- 出かける時はさりげなく出かける
- 外出の雰囲気に慣れさせるトレーニングをする
- 飼い主がいない時間を少しずつ増やして慣れさせる
- 外出する30分前から犬と距離をとる
- 帰宅時に過度に接さない
- 問題行動を起こしていても叱らない
- 普段から運動させたり遊んであげたりする
- クレートトレーニングをする
1.犬だけの時間を退屈させない工夫をする
これは物理的に退屈させない状態を作る方法です。
例えば、お留守番時にハウスやケージに食べ物やおもちゃを入れてあげます。
中に餌を入れられて工夫しないと餌が取り出せない仕組みになっているおもちゃや、時間をかけて噛み続けられる食べ物など様々なアイテムがありますのでお試しください。
一般的に、飼い主が不在時の分離不安は、飼い主の姿が見えなくなってから、寂しさのピークになる20〜30分で起きると言われています。
この時間に十分に気を紛らわせられるものを置いてあげましょう。
2.普段から適度な距離感で接する
心理的に、飼い主と離れていてもパニックにならない状態にしてあげることも大切です。
飼い主が家にいる間に、ずっと犬と一緒に行動しているならば、犬はそれに慣れてしまいます。
そうすると、少しでも離れてしまうと不安になり、パニックになってしまうのです。
分離不安症になってしまっている場合に、今まであなたが愛犬とべったり一緒に過ごしていたなら、あなたが家にいる間も別々に過ごしたり、ハウスやケージに入れる時間を作ったり、普段から適度な距離感を保つことが必要です。
飼い主に依存しすぎないようにしてあげてください。
これは分離不安症になっていない子でも実践すると、分離不安にならないように予防にもなります。
3.出かける時はさりげなく出かける
出かける時には犬に、「行ってきます!」などと声をかけたくなりますが、犬が飼い主がいなくなったことに気がつかないくらい、さりげなく外出できたらより良いです。
「今から飼い主さんが出かけちゃう」という外出の雰囲気を感じさせないことも工夫してできます。
そうすれば犬が寂しさを感じることを減らせます。
あなたも愛犬に少しの間会えなくて寂しいかもしれませんが、留守番を大したことじゃないと思ってもらえるようにしてあげてください。
4.外出の雰囲気に慣れさせるトレーニング
出かける時に着替えたり、荷物を持ったり、ドアを開けたりするのも、実際に外出する時だけでなく、家にいる間にも犬にして見せます。
すると犬は外出の準備に慣れてきます。
外出する時の準備の動作を少しずつ毎日実際にやってみせて、犬が過度に反応しなくなるように繰り返してあげます。
ちなみに、普段の躾では、できたら褒めてあげるというのが大切なのですが、この外出に慣れさせるという場合には、上手にできても褒めないようにしてください。
犬にとって飼い主の外出は「当たり前のこと」と認識できるようにするのです。
ステップ1:出かける前の準備に慣れてもらう
次の流れを、犬の様子を見ながら一つずつ行います。
- 立ち上がってドアの方へ向かう
- 着替える
- 荷物を持つ
- 鍵を持つ
犬がこの動作をしている時に、ストレス行動をしていたり、ソワソワしていたりしたら、飼い主は行動を一旦やめ、犬がリラックスするのを待って次の行動に移ります。
犬のストレス行動はこれらなどです。
- キュンキュンとなく
- 口の周りを舐める
- あくびをする
- 吠える
この時に、犬が落ち着いてないからと言って、声をかけたり撫でてあげたりしてしまうと、鳴いたり吠えたりすれば飼い主さんが構ってくれると思ってしまいます。
ただ犬がリラックスするのを待つだけが良いでしょう。
飼い主が外出の準備をしても犬が気にしないようになるまで何度も繰り返して行います。
ステップ2:ドアを開ける動作に慣れてもらう
犬が外出の準備をあまり気にしなくなったら、ドアを開ける動作に慣れてもらいます。
外出すると見せかけて、ドアの外に出るだけというのを繰り返すのも良いです。
ドアの外に出る=飼い主さんがいなくなる=悪いこと
という犬の記憶を変えていきましょう。
まずは部屋の入り口に行きます。そして、ドアを半分ほど開いて閉めるというのを繰り返します。これも犬が気にしなくなるまで繰り返します。
半分ドアを開いても大丈夫そうでしたら、今度はドアを全開にして繰り返します。
これでドアを開ける動作に慣れてもらいましょう。
ステップ3:ドアから外に出る
ドアを開ける動作に慣れたようでしたら、続いて、ワンルームにお住まいの場合は実際に外に出ますが、そうでない場合は実際に外に出るのではなく、まずは犬と一緒にいる部屋から出てみます。
最初は数秒から行います。
部屋から出てドアを閉めて1、2秒で中に戻ります。
これを少しずつ延長して繰り返します。
あなたが外に出ている間の犬の様子を観察できるとより良いので、ペットカメラやスマホなどでチェックしてみてください。
もしくはドアではなくベランダや台所、洗面所など犬からはわからないけれど、飼い主からは犬を観察できる場所に隠れるのでも良いです。
リラックスできるようになるまでだんだん時間を長くしていきながら、留守番ができるように慣れてもらいましょう。
分離不安の犬は、飼い主が自分のそばにいなくて不安で寂しくてパニックになってしまいます。とても短い時間、例えば1分でも不安になってしまう子はいます。
なので、このように少しずつ時間をかけて飼い主がいない状態に慣れてもらうことで、犬は「飼い主がそばにいなくても怖くない、悪いことは起きない」と覚えるのです。
このステップを1日に全てではなく、1日に1、2回、30分ほどで繰り返せる範囲でできる動作をして少しずつ実践するのがおすすめです。
5.飼い主がいない時間を少しずつ増やして慣れさせる
少しずつドアの外にいる時間を長くして行きます。
お留守番できるようになっても急に長時間離れてしまうのはやっぱり寂しいです。
できれば短い時間のお留守番から始めてあげましょう。
6.外出する30分前から犬と距離をとる
出かける直前まで犬と遊んでいたり、出かける前に声をかけて遊んであげたり、ハグをしてしまったりすると、急に飼い主がいなくなって不安になります。
外出する直前ではなく、30分ほど前から徐々に犬と距離を置いて、遊んだり話しかけるのをやめてあげましょう。
飼い主さんが目の前にいるのに遊んでくれないというのも、犬にとっては我慢しないといけない状況ではあるのですが、急に離れる時の不安の方が大きいので、1人で過ごすことの練習になります。
7.帰宅時に過度に接さない
犬と離れて過ごして、帰ってきたらすぐに甘やかしてあげたい気持ちもありますが、ここは一旦飼い主も落ち着いて、帰宅して犬がもし興奮状態ならそれがおさまってから接するようにしましょう。
出ていく時も帰ってきた時も普通に過ごすことで、犬が一人ぼっちの時間とのギャップが少なくなります。
大袈裟に行ってきますやただいまをせず、犬がリラックスした状態になったらお留守番できたことをしっかり褒めてご褒美をあげるなどをしてください。
8.問題行動を起こしていても叱らない
帰宅して、犬が粗相をしていたり、物を壊してしまったりなどの問題行動をしていても、決して叱らないでください。
行動を起こして時間が経ってから叱られてしまうと、犬は何が悪かったのか理解ができません。
あなたの愛犬はただ寂しくて不安でパニックになってしまっただけで、あなたを困らせようとしているのではありません。
このような行動をしないように、根気よくここでご提案していることを繰り返しやってみてください。
9.普段から運動させたり遊んであげたりする
普段から犬にもストレスが溜まらないように、解消してあげるのも分離不安にはよいです。
十分にお散歩をして、しっかり運動させ、たくさん愛情を注いで遊んであげることで犬は精神的にも安定します。
10.クレートトレーニングをする
家の中で常に自由な場所で過ごしていて、留守番時にも犬がどこでも好きな場所で過ごせるようにしているのなら、クレートトレーニングが有効かもしれません。
クレートはハウスのことで、ケージよりも小さく、扉付きのボックス型のものです。ハードタイプだけでなく、ソフトなものもあります。
犬は本来、穴ぐらを寝床にしている動物なので、クレートトレーニングをすれば、そこが安心できる場所になります。
犬が立ち上がって方向転換できる大きさのクレートを用意して、そこに「ハウス」と声をかけると入るようにトレーニングします。
クレートトレーニングの場合も、クレートに入れる前と出す時には飼い主は、「行ってきます」や「ただいま」などと大袈裟に声をかけない方が良いです。
クレートトレーニングでクレートに入れる時には「ハウス」と声をかけるだけです。出す時には興奮しているかもしれませんが、落ち着くまで相手にせず、犬がリラックスした状態になったら構ってあげましょう。
ただし、クレートトレーニングの際に、クレートに犬を入れるのは3~5時間ほどの短時間にしましょう。
長時間のお留守番の場合はクレートトレーニング以外の方法をお試しください。クレートに長時間入れてしまうと、分離不安の悪化にもなりかねません。また、クレート内での事故が起こってしまうこともあります。
また、クレートトレーニングは犬を病院に連れて行きたい時などにも役に立ちます。
ただ、クレートトレーニングの際、クレート内で排泄する癖は付けないようにしましょう。犬によって排泄せずにいられる時間は異なるので、その時間によってもクレート内で過ごす時間を調節してあげてください。
トレーニングのプロや病院を頼るのもアリ
愛犬が分離不安になってしまったら、飼い主もとっても心配になりますよね。
もしも、このようなトレーニングを1人で行うのが難しそう、実際にやってもうまくいかないという場合はドッグトレーニングのトレーナーさんに相談してみるのも良いと思います。
外出時もいつも犬のことが気になってしまうのは、飼い主にとってもストレスになります。
そんな時は1人で悩まず、プロに相談するのもありです。
また、動物病院では、症状に合わせて犬を落ち着かせるためのお薬を処方してもらえる場合もあります。ただ、あくまでお薬は最終手段だと思ってくださいね。
分離不安症はエスカレートすると、病気や怪我の原因になってしまうこともあるので、症状が現れたら放っておかずに、必ず適切な対処をして改善させてあげてください。
トイプードル犬の分離不安の主な症状!初期症状と重症の違い
トイプードルは分離不安になりやすい犬種の一つです。
トイプードルの分離不安症には次のような主な症状が見られます。
飼い主が不在時に見られる分離不安症の主な症状
飼い主不在の時の犬の分離不安症の主な症状がこちらです。
- 吠え続ける、鳴き続ける
- 体のどこか(足や尻尾など)を舐め続けたり、傷になるまで噛んだりする
- 尻尾をぐるぐると追いかける
- プルプル震える
- カーペットや玄関マット、家具をかじるなど物を壊す、部屋を荒らす
- トイレを失敗する
- 部屋やケージの中で暴れる
これは飼い主が不在時の行動です。
ペットカメラなどで不在時の様子を観察してください。
飼い主と一緒にいる時に見られる分離不安症の主な症状
飼い主がいる時の犬の分離不安症の主な症状がこちらです。
- 飼い主のそばをずっと離れない
- 飼い主にずっとついてまわる(トイレやお風呂にも)
- 外出する準備をしているとソワソワする
- 常に飼い主の行動を目で追っている
- 飼い主の帰宅時に飛びついたり、興奮しすぎる
- 飼い主以外の人だとお散歩ができない
分離不安の初期症状と重症の違い
お留守番の前後に、このようないつもと違う行動をしているませんか?
その場合、分離不安の初期症状が出ていると言えます。
犬の分離不安の初期症状はかなり分かりやすく、いつもとは違う行動をとっていて「あれ?おかしいな?」と思ったら、既に当てはまっていることが多いでしょう。
ただ、犬の分離不安の初期症状が迎えた当日から出ていた場合は「この子はこういう性格なのかな?」と思ってしまう方もいるはずです。
そして、そのまま月日が経ち「全然改善しないけど、どうしてこんな状態になっちゃうの?」と思い検索してみたら「うちの子、分離不安症かも」と気づくパターンですね。
犬の分離不安の初期症状は、先ほどお話しした通り、ワンワン吠えたり、キュンキュン鳴き続けたり、自分の体の舐めたり噛み続けたり、といったことが挙げられます。
もちろん、犬の分離不安の初期症状が出ていても、飼い主が気にかけていればすぐに安心して改善していくこともあるでしょう。
例えば、吠えたり鳴き続けたりしている場合、愛犬に話しかけて落ち着かせることで、初期症状であればすぐに改善する場合もありますよね。
しかし、犬の分離不安の初期症状が出ていても、「ま、そのうち治るだろう」とあまり深く考えずそのままにしていると、重症化して治すのに時間がかかってしまうことも。
重症になると、少しでもそばを離れるだけで鳴き続けたり、体の舐めすぎて血が出てきたり、留守番時でなくても体調不良を起こしやすくなったりします。
犬の分離不安の初期症状を見つけたら、すぐに改善策を取るようにしましょう。愛犬の変化にいち早く気がついてあげて、初期症状の段階で対処してあげることが必要です。
しかし、犬の分離不安の初期症状と言っても、具体的にどんな事柄にいくつ当てはまればそう言えるのか、疑問に思いますよね。
そこで、次に、犬の分離不安の初期症状を含むチェックポイントについて、解説していきます。飼い主不在時と在宅時でチェック項目が違うので、それぞれで確認していきましょう。
「うちの犬の、分離不安の初期症状が出てるかも」「家にいない時どんなことをしてると初期症状に当てはまるの?」「在宅時に確認できる初期症状って?」
と疑問のある方は早速チェックしていきましょう。
犬が分離不安症かどうかをチェックする方法
分離不安症の犬は、特定の行動をしたり症状を見せたりします。
そんな分離不安症の犬が起こす特定の行動や症状には主に10項目のチェックポイントあり、そんなチェックポイントにいくつ当てはまるかで重症度が分かります。
では、あなたの愛犬に当てはまるものはないか、チェックポイントを確認していきましょう。どれ位当てはまるかチェックです。
飼い主不在時|分離不安症チェックポイント10
分離不安症が疑われる場合、あなたの不在時にペットカメラなどで愛犬の様子を観察してどんな行動をしているかをチェックしましょう。
犬の分離不安症のチェックポイント10項目がこちらです。
- 吠え続けたり、キューキュー鳴き続けたりする
- 粗相をする
- 体のどこか(足や尻尾など)を舐め続けたり、傷になるまで噛んだりする
- 尻尾をぐるぐると追いかける
- カーペットや玄関マット、家具をかじるなど物を壊す、部屋を荒らす
- 嘔吐や下痢をする
- よだれをたくさん出す
- 床や地面を掘り続け
- パニックになり、ケージや家から逃げようとする
- プルプルと震える
これらのチェックポイントは、分離不安症の犬だと本当によく当てはまります。
あなたの愛犬は、どれ位にチェックに当てはまりましたか。
飼い主がいる時|分離不安症かチェックポイント9
飼い主がいる時にこんな行動をしていたら、分離不安症が疑われます。
犬が分離不安症なのか判断するためのチェックポイント9項目がこちらです。
- 外出の準備中に吠え続けたりソワソワしたりする
- 外出の準備をするとぐるぐるとまわりだしたり歩きまわったりする
- 外出を邪魔しようとする(裾や袖を引っ張る・玄関の前に居座る)
- 飼い主さんにずっとついてまわる(トイレやお風呂にも)
- 常に飼い主の行動を目で追っている
- 飼い主以外の人だとお散歩ができない
- 飼い主の帰宅時に飛びついたり、興奮しすぎる
- 飼い主の帰宅後に下痢や嘔吐をする
- 飼い主の帰宅時に一時的にご飯を食べなくなる
子犬の場合は、まだお留守番に慣れておらず、クンクン鳴いたり、単純に興味があって好奇心で飼い主についてまわったりすることもあります。
その場合は、分離不安かどうかを注意深く観察してあげましょう。
犬の分離不安で一緒に寝るのが良くない理由
先ほどもお伝えしたように、愛犬と常に一緒にいるのは、離れた時の不安を大きくしてしまう原因になります。犬と一緒に寝るというのも分離不安になる原因となりやすいんです。
もちろん、犬と一緒に寝ると幸せを感じますし、近くにいてくれることであなたも安心することができると思います。一緒に寝る時間は互いに幸せを感じられるひとときです。
一緒に寝ることでお互いに心を解放して絆を深くすることもできますし、一緒に寝ることはスキンシップやコミュニケーションの手段としても活用できますよね。
しかし、一緒に寝るということが原因で犬と飼い主との距離が近くなりすぎると、いざ飼い主が留守になったときに、犬がより不安を感じてしまうようになることがあるんです。
「犬と一緒に寝てるとあったかい」「犬と一緒に寝るのが冬の醍醐味」「犬と一緒に寝流のが小さい頃からの夢だった」「犬と一緒に寝てると匂いが可愛くて癒される」
そんな風に、犬と一緒に寝ることで幸せを感じられますが、犬が分離不安症になってしまった場合は、一人でもゆっくり寝られるように訓練する必要が出てきます。
既に一緒に寝ている場合は一緒に寝るのをやめてみましょう。分離不安になったから一緒に寝るというのも、解決策にはなりません。
そして、あなたが家にいる場合も、犬とは適切な距離をとる方が良いです。
「問題行動を起こしたら、さらにそばにいてくる」と犬に思わせるのも良くありませんので、まずは犬が一人で安心して居られる環境を作ってあげるようにしましょう。
分離不安症になった時の注意点
「愛犬が分離不安症のようだから、もう一匹犬を飼い始めました。」
そんな話をよく聞きます。
ですが、すでに分離不安症になってしまっている場合、環境が大きく変わると、さらなる不安を感じてしまう子もいて、逆効果になる可能性があります。
分離不安症を改善するためなら、安易に新しい犬を飼うのではなく、これまでに挙げたような別の方法を試す方が良いでしょう。
犬の分離不安で「治った!」と知恵袋に報告のある治し方について
犬の分離不安は、これをやれば必ず治る!というものではありません。その子の年齢や生活習慣、性格、分離不安になった原因によっても異なり、治し方も異なります。
なので、その子に合った治し方をしなければいけません。
これまで挙げて治し方についての方法を一つずつ試して行き、あなたの愛犬に合った治し方で続けていくと、必ず改善への道が開けるはずです。
ところで、知恵袋には、愛犬の分離不安が治った例がいくつか投稿されていました。
Yahoo!知恵袋は色々な体験談、経験談が掲載されていますよね。犬の分離不安について悩んだ時にも、かなり参考になる知恵袋は多かった印象です。
知恵袋に投稿された皆さんは、どんな治し方を試したのでしょうか。「なるほど」と思える3つ治し方について、知恵袋の内容をまとめてみました。
知恵袋の回答①言葉と態度で信頼を築いてきた飼い主さん
うちは、3歳のトイプードル女の子飼ってます。日中はお留守番させてます。
うちは、仕事の時、必ずお仕事行ってくるね。いい子にしててね。って声掛けてから、サークルに入れてました。毎日、決まった時間に帰宅し、愛犬にただいま!いい子にしてたね!って声掛けてます。
始めのうちは、トイレもお風呂もクゥンクゥン泣いてて、留守番もクゥンクゥン泣きから遠吠えまでしてました。でも毎日、同じ時間に帰宅して声掛けてるからか、ある日突然、朝、お仕事ともまだ言ってないのに、身支度してたら、トコトコ歩き出して、サークルに入って行きました。
その姿に健気さを感じて、おやつあげてたら、お仕事って言うだけで、小走りでサークルに入って行きました。お仕事=決まった時間に帰ってくるって認識されたんだと思います。
お風呂やトイレも声掛けてました。お風呂入ってくるね。とかおトイレ行ってくるね。とか…。クゥンクゥン泣くことは無くなりました。お風呂の時は扉の前で待ってたりはまだしてます。ただこれは家の中に限ってです。
旅行に連れて行くと、トイレやお風呂でクゥンクゥン泣いてます。声掛けてから行動してますが、慣れない環境でやはり不安になってるんだと思います。戻るとすかさず抱っこ!って感じになります。でも言葉は理解できるてるので、中からここにいるよ。とか言ってると治ります。
マニュアル本のようなものは一切、見ずに幼稚園も通わせてないです。言葉と態度で信頼を築いてきたので、旅行先の宿泊施設を除いては、分離不安は解消されました。その子に合った方法で信頼関係を築いて、安心させてあげるのがいいと思います。
このような知恵袋への書き込みがありました。
この子の場合は、小さい時から飼い主さんが外出前後に声をかけていて、犬にとってそれが当たり前になったという治し方ですね。
分離不安症になってしまっていて改善したい場合には、飼い主の外出を犬に悟らせない、外出は犬にとって特別なことではないように振る舞うのが大切とお伝えしました。
ですが、愛犬がまだ子犬で、留守番に慣れていない場合には、こちらの知恵袋にも合ったように、外出前後に声をかけるという治し方も、試してみると良いかもしれません。
知恵袋の回答②クレートトレーニングで改善
うちはクレートトレーニングの留守番で改善しました。ケージは動けるのでずっと動いて吠えてました。
一般的な方法はどれもダメ。ダメ元でネット相談したら教えてくれ、うちの子には合ってました。最初は試練でしたけど。普通じゃ考えられない内容かも。書いたら叩かれそうです。
獣医にも相談しましたが、うちはまだ破壊はなかったので様子見でしたが、精神安定剤のような薬の処方もできると言われました。
今はクレートで留守番です。フリーは落ち着きなく吠えてます。クレートならたまに遠吠えぐらいでだいたい寝ています。
こちらの知恵袋も、かなり参考になりますよね。
お留守番時はケージに入れるという方は多いかもしれません。
が、それが合わない子の場合は、クレートに入れてあげるという治し方がおすすめです。クレートの方が狭くて穴ぐら感がある分、落ち着けるという犬も多いはずです。
知恵袋に投稿されたこちらの内容の通り、クレートが安心できる場所になると、愛犬はそのまま眠りながら飼い主の帰宅を待っててくれるようになります。
ただ、この治し方は長時間のお留守番には向きません。短時間(3~5時間)のお留守番をさせる時のみにしましょう。
知恵袋の回答③もう1匹お迎えした
分離不安を発症してから1年後に、もう1匹のわんちゃんをお迎えしました。
すると、治りました。
トレーニングではないですが、実例として参考になれば幸いです。
中には、もう一匹犬を迎えたことで、分離不安が治った子もいう書き込みも、知恵袋にはありました。成功した例ですね。
ただ、分離不安症の治し方として、新しく犬を家族に迎えるということは、博打な一面もあります。犬の性格や家の環境に大きく作用されるので、治し方としては難しい手段です。
新しく犬や猫などを家族に迎えて環境を変えることは、犬の気持ちに大きな影響を与えます。もしかすると、犬によっては更なる大きなストレスとなってしまうことがあります。
逆効果になることもあるので、もう一匹犬を飼うのは慎重にご検討してください。
知恵袋の回答④出かける際の声がけをやめた
うちの犬もまだ若い時に、家族で出掛けて帰ってきたらウンチを決まった場所じゃない所でしたり、ゴミ箱をあさったりしていました。
私の場合、出掛ける時に犬に「バイバイ、行ってくるね」と声をかけていたのが犬は置いてかれると思って不安になり良くなかったみたいで、言わないようにしたら落ち着きました。
犬のしつけ書の本には、出掛ける時はラジオをつけて寂しくないようにしてあげたり、ぬいぐるみとかを側に置いてあげると良いと書いてありましたので、試してみると良いと思います。
犬に、お留守番は大したことじゃない、当たり前のこと、と思ってもらうことが治し方では本当に大切です。
この方のように、「行ってきます」や「ただいま」を大袈裟にしないようにする治し方は、やはり良さそうですね。
飼い主が大したことじゃないよ、という風に装うと、犬もそれを察知して安心できるようになります。「お留守番?そっか、じゃ寝てよ」位の感覚になってくれると嬉しいものですよね。
また、ラジオやぬぐるみといったことも、治し方として挙げられていました。
ラジオではなくてもアレクサで「犬のお留守番音楽」をかけて行ってあげるのも良いですし、飼い主の脱いだ服を置いていってあげるという方法も、犬が安心できるのでおすすめです。
知恵袋の回答⑤プロのトレーナーに任せた
私は自分ではダメだったので、躾教室とプロのトレーナーにお願いしました。
知恵袋には、トレーナーさんにお願いしたという書き込みもありました。
確かに、知恵袋にもある通り、ドッグトレーナーさんは犬のことを熟知しているので、犬の考えを読んで一番正しいやり方で犬に意図を伝えて学習させてくれます。
色々と治し方を試してみて、どの治し方でもダメだった場合は、トレーナーさんや獣医さんに相談するのもおすすめです。1人で悩まずに、犬にも飼い主にとっても快適な生活をいち早く送れるように、プロの手を借りてみましょう。
犬が安心できる治し方をプロのトレーナーさんは教えてくれるので、今まで何の認識のズレがあって犬に「大丈夫」という安心感が与えられていなかったのかが、プロのトレーナーさんに教えてもらうことで分かります。いわば、犬と飼い主との架け橋になってくれます。
ただし、プロのトレーナーと言っても、犬に合わない場合もありますし、時代錯誤の治し方(例えば犬に頭ごなしに罰を与えるなど)で犬の分離不安症が悪化することもあります。
必ず、犬への愛情がひしひしと伝わってくるようなトレーナーさんをしっかりと吟味してあげてくださいね。YouTubeにもトレーナーさんのアップしている動画があるので、参考にするのも良いと思います。
引用:Yahoo!知恵袋
このように、知恵袋には、犬の分離不安症についてかなり参考になる書き込みが多かったです。
皆さんが色々試されていて、愛犬のためにどうにかしてあげようと一生懸命になっている気持ちがひしひしと伝え割ってくるような内容の知恵袋もありました。
あなたも分離不安で悩んで落ち込んだら、知恵袋を検索して成功体験について読んで、愛犬と一緒に頑張っていくシミュレーションをぜひ描いてみましょう。
犬の分離不安が特定の人に現れる場合の対処法
犬の分離不安では、家族の中でも特定の人に現れる場合もあります。
例えば、愛犬がパパさんのことを絶対的に信頼している場合、ママさんが家にいても分離不安の症状が出るという場合です。
そのように家族の中の特定の人に依存している犬の場合、まずは特定の人以外への信頼感を増やすということも大切になります。
犬が特定の人でしか安心感を抱けない時に多いのが、特定の人とだけ遊んだりお散歩に行ったりしているということです。
例えば、パパさん、ママさん、愛犬の三人暮らしの場合で、ママさんはご飯をあげて可愛がるだけ、という時、最も犬とのコミュニケーションを取れるお散歩や遊びという事柄は、パパさんだけが行なっていることになりますよね。
特にお散歩というのは、愛犬のことをしっかり守った上で飼い主が導きながら行うものなので、お散歩に連れていく行為は、犬との信頼関係を築くのにとても便利な方法です。
まずはこのような状態を改善して、特定の人への依存を減らしましょう。
- 特定の人しかお散歩しない
- 特定の人しか遊んであげない
- 特定の人しかご飯をあげない
- 特定の人しかおやつをあげない
- 特定の人しかスキンシップを取らない
- 特定の人しか家に長くいない
犬にとって「特定の人」は一番一緒にいて安心できる存在かもしれません。
しかし、人の子供にも言えることですが、一緒にいて安心できる存在が一人しかいないのは、とても不安定な状態ですよね。
特定の人以外であっても安心できる状態が一番良いですし、何よりも家族一人一人への信頼が厚くなることで、犬がリラックスできる時間が増え、分離不安の症状が改善して行きます。
犬が特定の人にしか心を許さない場合は、トレーナーに預けてみるのも良いでしょう。特定の人以外とでも安心できると学習できれば、犬にとってそれは大きな功績です。
あなたがトレーナーに自宅でもできる方法も教えてもらって、家でその方法を続けていくと、確実に、特定の人以外にも信頼感を持ってもらえるようになりますよ。
分離不安症をほっとくのはNG!より悪化する場合も
分離不安症は初期でも放っておいてはいけません。
それぞれの犬にあった治し方で、場合によってはプロの手も借りて、少しずつお留守番に慣れさせていけば必ず改善していきます。
愛犬に合った治し方が分かるまでは試行錯誤の繰り返しなので、辛いと感じることもあると思います。まるで子育てと同じですね。
「犬育て」は、よほど育てやすい子じゃない限り、やっぱり難しいものです。特にペットショップ出身で、他の犬や人間とちゃんと関わってこなかった子は尚更難しいでしょう。
もちろん、保護犬の子の場合でも、どんなに安心感を与えてあげたくても、心の傷が深すぎて、すぐには絆は築けないかもしれません。
また、犬の元々持っている性格も関係して来ます。
すごく根が明るい子でであればどんな治し方でもすぐに学習して改善されることもありますし、反対に臆病だったり不安を持ちやすい子であれば、どんな治し方を試しても、ちょっとしたやり方の違いで、全然意図が伝わらず改善しない、ということもあります。
あなたは、犬の治し方を試してみても、思ったよりも時間がかかったりして「もう一生このままなのかな」と落ち込むこともあるかもしれません。
ただ、どんな犬でも、これまでまとめて来た治し方や、トレーナーさん、獣医さんの力を借りれば、絶対に改善できる糸口は見つかるはずです。
ぜひ、愛犬の様子を注意深く観察して、どんなことで不安を覚えているのか突き止めて、その不安の感じ方に合った治し方を実践してみてくださいね